やぁ、B級映画愛好家のNatscoだよ。
レンタルビデオ屋さんでクソっぽい映画を探すのが趣味です。
今回は、B級コメディ映画にありがちなサブタイトル『史上最悪の〇〇!!』を考えます。
この「史上最悪」系のコメディはB級ファンとしてはたまらない枕詞ですが、「最悪」だけでもすごいのに、「史上」まで付くといかんせんハードルが上がります。
「言ったな?史上最悪なんだな?本当に、最悪なんだな??」という視点から、いくつか映画の紹介をしていきます。
- そもそも邦題が悪い
- 『ハングオーバー ~消えた花ムコと史上最悪の二日酔い~』
- 『ハングオーバー ~史上最悪の二日酔い 国境を越える~』
- 『俺たちハングオーバー ~史上最悪のメキシコ横断~』
- 『デューデート~出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断~』
- 『バッドトリップ!~消えたNO.1セールスマンと史上最悪の代理出張~』
- 『タッカーとデイル ~史上最悪にツイてないヤツら~』
- 『ブライズメイズ~史上最悪のウェディングプラン~』
- まとめ
そもそも邦題が悪い
まず、邦題のつけ方がちょっと詐欺ってる。
原題ではなにも言ってないのに「史上最悪!」と銘打たれてるのはちょっとアレかな…勝手にハードル上げないでほしいかな…と思う。でもその反面、今回挙げた作品は個人的な好みに一応合っていて、そういう作品が好きな人の指針になっているので、まぁ、無くはないかな…といったところ。
ハングオーバーのヒットに便乗したような作品が多いので、シリーズのファンなら思わず手に取ってしまいますね。
以下、ハングオーバーなど、「史上最悪」系コメディのレビューです。核心的なネタバレは避けたつもりですが、未視聴の方はご注意ください。
『ハングオーバー ~消えた花ムコと史上最悪の二日酔い~』
飲み過ぎで昨夜の記憶がない !?
2日後に結婚式を控えたダグとフィルら男友達3人はラスベガスで、独身最後の夜を一生の思い出にするはずであった。
が・・・翌朝目覚めた彼らを待っていたのは、常識では考えられない驚くべき光景が。ホテルの豪華なスイート・ルームはメチャメチャ、そして、2日後に結婚する花婿が、いない・・・。
記憶がない空白の時間にいったい何があったのか?
3人は二日酔(ハングオーバー)の頭で必死に記憶をたどる―。全米だけでなく世界中を大爆笑の渦に巻き込んだ、彼らのおバカで救いようのない衝撃の事実がついに明かされる。(Amazon内容紹介より)
(原題:THE HANGOVER)
最悪度:★★★★☆
「史上最悪」系の金字塔、ハングオーバーシリーズの1作目。
振り切っています。下品だしアホ極まりないけれど、記憶を辿って花婿を見つけよう!っていう謎解きみたいな伏線のほぐし方が絶妙で、ちゃんときれいにまとまっているのもズルい。
常時頭のおかしいアランと、酔うとどうしようもないスチュ、どういうわけか無駄にイケメンなフィル。個性的すぎる3人の珍道中がバカバカしくてただ笑うしかない。起きたら謎の赤ちゃんと、浴室にトラ。パトカーも盗んでたし、式当日の花婿がいない!これを最悪と呼ばずしてなんなのか…エンドロールで明かされる無くしていた記憶もとんでもなく、最後の最後まで楽しめる一本です。
品がないので、一緒に見る人は選びますが、疲れた時に見てほしい一本。
『ハングオーバー ~史上最悪の二日酔い 国境を越える~』
舞台となるのは、とあるアジア最大のリゾート地!!
仲間のひとりが、ついに年貢の納め時。異国での記念すべき結婚式前々夜―――ロサンゼルスからやってきた悪友たちにとって、それは独身最後を祝う最高の夜になるはずだった。
しかし翌朝二日酔いから目が覚めると、見知らぬ部屋で、中はメチャクチャ。式を控えた新郎の顔には刺青(タトゥー)がガッツリ入っており、なぜか花嫁の弟は消え、代わりにベストを着たサルがいた―――。
昨夜の記憶がない!!あげく髪も、パンツもない!!それでも迫る明日の結婚式!!
数々の手がかりを頼りに、彼らは失われた記憶と、花嫁の弟を取り戻すことができるのか!? (Amazon内容紹介より)
(原題:THE HANGOVER PART Ⅱ)
最悪度:★★★★★
シリーズ2作目。異国の地でまたしてもハングオーバー。最悪度合いは前作を上回っていると思います。あんだけやらかしておいてまた飲んでしまったのか!!
前作とやってることは同じと言う点でインパクトは劣ってしまいますが、目覚めたら汚いホテル、髪がないしタトゥー入ってるし、指が落ちている…こわいなぁ。前作よりも残虐描写が増えていて、そこが少し評判を下げているのかも。
異国の地でのトラブルはそれだけでも最悪なのに、この3人の手にかかればスケールはどんどん大きくなっていきます。作中たびたび「バンコクに囚われた」という表現が出てきますが、ラスベガス以上に人を煽るような、ずっとちょっとずつ暗い雰囲気が漂っているのが個人的に好みでした。
最後は何だがきれいに「いい話だなぁ」でまとまる手腕はさすがですし、エンドロールの仕掛けも継続。酒は飲んでも飲まれるな、という教訓映画ですね。おすすめです。
第3作目『ハングオーバー!!!~最後の反省会~』
こっちはもっと綺麗にまとまっていて、しかも前作までのやらかしを清算してく構図が面白かったです。やはりインパクトには欠けますが、どうしようもない三人が、とくに問題児のアランが一歩踏み出すような、いい話です。心温まったところでエンドロールがすべてかっさらっていくのはお決まりです。
『俺たちハングオーバー ~史上最悪のメキシコ横断~』
日本版のパッケージが引っ張れなかったので、オリジナル版です。
ナルドとジェイソンとエヴァンは幼馴染の大親友。
ナルドの結婚が決まり、3人でクスリを吸いながら独身最後の夜を楽しんでいた。
ハイになったナルドは婚約者のトレイシーの不満を漏らし始める。
そのおかげで、当日結婚を阻止しようとジェイソンが式場に乱入、式はめちゃくちゃに。
激怒したトレイシーは式を飛び出し、追いかけたナルドはメキシコで迷子になってしまう。
ジェイソンとエヴァンは救出へ向かうが、そこでは前代未聞のトラブルが待ち受けていた…。(Amazon内容紹介より)
(原題:Search Party)
最悪度:★★★☆☆
これは邦題が悪い。
第一に「HANGOVER」=二日酔いじゃない。独身最後の夜を楽しんだ3人がはちゃめちゃな展開に!という点でハングオーバーを踏襲していますが、動転していたといえ数々のやらかしが素面だと考えると、「大丈夫か!?」ってなります。控えめに言って狂人です。
タイトルはおいて置いて、面白いです。パスポートの偽装、麻薬の密売、臓器売買、爆破…ハードルの高いトラブルが次々と押し寄せてきます。一日の出来事だと考えるとこんなの最悪。大笑いとまではいかないけれど、ずっとちょっとずつ面白い。
ハングオーバーよりも下ネタが控えめで見やすかったのもありますが、ラストシーンの歌がすべてもって行きました。何も考えたくない日の一本です。
『デューデート~出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断~』
待望の初ベビーの誕生を5日後に控えたピーター(ロバート)は、仕事先のアトランタからロスの自宅へと急ぐため飛行機に乗りこんだ。ところが、ミョーな男のせいでテロリストと疑われ、搭乗拒否に! サイフも身分証も空の上、どうすりゃいいんだとキレる寸前のピーターの前に、例の男が車で現れ大陸横断を持ちかける。彼の名前はイーサン(ザック)、俳優志望でエージェントに会うためにハリウッドへ行くところ。しかし、フレンチブルドッグが友だちで父親の遺灰が宝物のこの男、実は地球上のあらゆるトラブルを奇跡のごとく引き寄せる、最凶のマイナスオーラ男だった! 妻の出産に間に合うのか? いやいや、そもそもピーターは、3,200kmの道のりを生きて無事に帰れるのか──?(Amazon内容紹介より)
(原題:DUE DATE)
最悪度:★★★☆☆
俳優さんが同じってのもあって完成に便乗映画のオーラ丸出しですが、ハングオーバーシリーズの問題児・アランがそのまんまな感じで人を巻き込んでいく、と、そういうあらすじ。
不運にも巻き込まれてしまったピーターが主人公になるわけですが、見ていくとこいつはこいつで良識人ではない。イーサンの方は、悪意がないまま不運を振りまいているから擁護しようもなく、出産だってのに夫が戻らない奥さんまで含めて、なんだか全体的に「かわいそう」な雰囲気。勝手に同情。いかれた同行者のおかげで妻の出産に間に合わない!ハングオーバーと違い、きっぱりと自業自得!とは言いきれないところがみんなが平等に不憫。
でも滅茶苦茶なトラブルに巻き込まれる2人には思わず笑ってしまうし、なんだかんだ友情が芽生えていく様子はほっこり。ハングオーバー好きな方は楽しめると思います。
『バッドトリップ!~消えたNO.1セールスマンと史上最悪の代理出張~』
田舎の小さな町から出たことがない、純朴な保険セールスマンのティム。ある日、不慮の事故に巻き込まれたNo. 1セールスマンの代理として、大都会で開催されるコンベンションに参加することに! 初めての大都会に戸惑いながらもホテルに着いた彼だったが、悪名高きセールスマンのディーンと、謎の男の三人で相部屋となってしまう。ディーンにそそのかされて酒を大量に飲んだティムが明朝目覚めると、とんでもない状況になっていて……。(Amazon内容紹介より)
(原題:CEDAR RAPIDS)
最悪度:★★☆☆☆
これは、タイトル、完全にやりにいってます。主人公がハングオーバーシリーズで可哀想な歯医者さんのスチュを演じるエド・ヘルムズってことで、作風もそうですが邦題も完全に便乗していますが、ちょっとやりすぎなだけで、みんな割と楽しそうです。
幼稚さが抜けないサラリーマンが、都会の刺激といままで触れたことのない仲間と出会い、羽目を外して盛り上がっちゃうけれど、大事なものを学ぶことが出来ました。っていう。タイトルからは拍子抜けしちゃいますが、思わず応援しちゃうようないい話でした。
いい話とは言え、下品なので人は選びますが、個性的な登場人物が微笑ましくて個人的には楽しめました。あと、エンドロール始まってからもネタを仕込んでくる映画が個人的に好きなので満足です。
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『タッカーとデイル ~史上最悪にツイてないヤツら~』
気のいいヤツらが殺人鬼?? スプラッターおバカコメディー! 親友同士のタッカーとデイルは、念願の別荘を手に入れ、休暇を自分たちの山小屋で過ごそうと森へやって来た。しかし2人は、同じ時にキャンプに来た生意気な名門私立の大学生グループに、人里離れた山に暮らす殺人鬼だと勘違いされる。 タッカーとデイルが川で溺れかけた女子大生を助けたことで、更に誤解が誤解を生み、次々と死人が出てしまう。 仲間の女子大生を救おうと大学生が襲いかかってくるが、事態はなぜか不思議なありえない展開に!気のいいタッカーとデイルの運命やいかに…? (Amazon内容紹介より)
(原題:TUCKER AND DALE VS EVIL)
最悪度:★★★★★
最悪度は抜群。他の作品と違うのは、タッカーとデイルの2人は特に何も悪くないというところ。
自業自得で招いた最悪とは違い、ただ巻き添え喰らってる2人の不憫さは史上最悪の称号ふさわしいです。B級映画のド定番・バカな大学生が次から次へ、まさかすぎる死にざまを披露していく様子は不謹慎ながら笑ってしまいます。でも2人からしてみたらたまったもんじゃありません。
バカ映画には違いありませんが、「人を見かけで判断してはいけない」という教訓と、現代社会のコミュニケーションの希薄さを浮き彫りにする意義を持った作品だと思います。知らないけど。
血みどろが大丈夫な人には、ぜひおすすめしたい一本です。
『ブライズメイズ~史上最悪のウェディングプラン~』
『セックス・アンド・ザ・シティ』を超えた傑作ガールズ・コメディ!
30代独身アニー。開業した手作りケーキのお店はつぶれ、恋人にも逃げられ、どっちを向いてもお先真っ暗な彼女にとって親友リリアンだけが心の拠りどころ。だが、そのリリアンの結婚が決まり…。(「Oricon」データベースより)
(原題:BRIDESMAIDS)
最悪度:★★★☆☆
ガールズコメディということで、上記の作品とは根本的に違いますが、女同士のいざこざの品のなさが過剰に表現されています。
ブライズメイドというシステムが日本人的にピンときませんが、ウェディングで花嫁のサポートをするお友達のこと。
花嫁と仲良しの数人が選ばれているわけですが、彼女たち同士は別に仲良しじゃない。主人公・アニーと、完璧美女のヘレンによる「私の方がリリアンと親友なんですけど」っていうマウントの取り合いがもう…見ていられない…。しかも人生のどん底にいるアニー、大好きなリリアンのために一生懸命に頑張っているのにそれがどんどん裏目に出ていく。代わりにヘレンの株ばかり上がっていく様子はいや、本当に最悪です。
今回紹介した作品と比べてしまうと、破天荒さと言う意味での最悪度は劣りますが、主人公が自爆してくところに「もうやめとくれ~」っていう辛さがあります。
まとめ
「史上最悪」系コメディは、「史上」かはおいておいて、確かにみんな最悪です。それが自業自得のものなのか、降りかかっているものなのかは作品によって様々、それで笑えるか、笑えないのかも様々です。思いがけないトラブルでてんやわんやな映画はきっとこれからも作られ続けるでしょうし、きっとそういう映画は『史上最悪』を冠することになるでしょう。新たな史上最悪に期待します。
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最近、「ハングオーバー」系の映画で、『真夜中のパリでヒャッハー!』を見ました。
社員に息子のベビーシッターを頼んで外泊。帰宅すると家は滅茶苦茶で息子もベビーシッターも行方不明。社長とその夫人は、部屋に残されたビデオカメラから、昨夜の出来事を知る…という、まぁまぁ知ってるプロットですが、「そこまでやりますか!」という破天荒ぶりが素晴らしい。お腹を抱えて笑いました。オススメしておきます。
原題「Babysitting」がなぜこうなったのかは謎だけど、息子役の少年がとてつもなく美少年なのでどうでもいいです。