I am Natsco

お金はないけど、暇はある。自由を持て余した女の書き溜め。

スポーツ漫画で部員は増えたのか?*8.26データ修正しました

スラムダンク (1) (ジャンプ・コミックス)

*2007.08.26→高体連データについて、前半に載せた1988年~1997年の推移グラフに誤りがありましたので画像の差し替えを行いました。

やぁ、Natscoです。

今回するのはスポコン漫画のお話です。

マンガやアニメが現実に与える影響について、さまざまな視点から語られることがありますが、今回私がしたいのは、スポーツマンガと競技人口のお話です。

競技人口の増減にはさまざまな要因が予想できますので、一概に言えませんが、なんらかの因果関係を垣間見れたらおもしろいかなぁと。

 

 最近、『スラムダンク』を読みました。

手に汗握る展開の繰り返しで、もう、涙涙の連続で疲弊しまくりでした。

スラムダンク熱冷めやらず、1日3度は桜木花道くんの食生活を心配しています。

この話はいったん置いておくとして。

 

世代ではないので体感したわけではありませんが、『スラムダンク』は日本にバスケブームをもたらしたとか。ドハマりしているので、この現象は納得。さぞ盛り上がったのでしょう。

そう言えば、私の母は『アタックNo.1』を読んでバレー部に入部したと言っていました。他にも『エースをねらえ』とか『キャプテン翼』とか、さまざまな名作マンガが、時に「○○ブームをもたらした」という文句と共に説明されます。

 

なるほどーとは思いつつ、「ブーム」ってのはどんなもんなんだろうと思ったわけです。なにか目に見える形で残っていないもんかと、ちょこっと探してみた結果をまとめてみます。

 

結論から言うと、そんなにしっかりした検証ができなかったので、話半分で読んでください。

運動部員数とスポーツマンガ

様々なスポーツの競技人口は、それぞれの協会のホームページで紹介されていました。が、あまり長期にわたるデータではなかったり、複数の競技を比較するのに適さなかったので、ここではひとまず高校生の部活動に絞ってデータをとってみました。

 

www.zen-koutairen.com

全国高校体育連盟HPにインターハイのデータはじめあらゆる資料が上がっていたので、主にここを参考にしてグラフを作成しました。

マンガを読んで、「はじめよう!」となるのは高校生からなのか、どっちかっていうと中学じゃないか?とか、マンガを読んで「やってみよう」よりも「見に行ってみよう!」のほうが多かったりするんじゃないか、とかなんとかいろいろ考えましたが、残念ながらデータ不足でした。

 

面白いとは思ったんですが、ちょっと資料不足で思ったほど楽しめる結果は出ていません。

そもそも、部員数の推移には様々な要因が考えられ、マンガやアニメの影響による増減も断定できるものではありませんので、ここではデータを示すのみにとどめたいと思います。

 

ちなみに『Training journal』という雑誌の2005年7月号に早稲田大学院生の方が「学校運動部活動の現在と未来(22)スポーツマンガと運動部員数の増減」という論文を発表されていて面白かったので、紹介しておきます。

1988~1997年

以下は、高体連の資料から集計したグラフです。

その年の高体連加盟者数全体における各部活動所属者の割合の推移を示したものです。

陸上・バスケ・サッカー・バレー・卓球・テニスの6種目。サッカー以外は男女を合わたもの、テニスの項目には硬式・軟式を足したものを用いました。

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(高体連HPには、当時の検証が不十分だということでH15年以前のデータは掲載されていません。が、なんとなーくうっすら気になるだけだったので、1999年に発行された『全国高体連五十年史』よりデータを引っ張ってきました。適切な検証ではありませんので、薄目でみてください。)(2017.08.26こちらのグラフを差し替えました)

 

1988~1997年の間、テニスが最も高い割合を保っていることが分かります。

特に大きな変動が見られるのはバスケとサッカーです。バスケの割合が上昇した1992年からそれに呼応してバレーが若干減少傾向を見せています。同じ室内競技で競合したのかなぁと思ったり。

サッカーが上昇したのは1994年にJリーグが発足したことが影響しているというのは明らかでしょう。

スラムダンクとバスケブーム

1988年~1997年の間のスポーツマンガと言えば、そうです『スラムダンク』です。 

SLAM DUNK(スラムダンク) 完全版 全24巻・全巻セット (ジャンプコミックスデラックス)
 

上記のグラフでは、1990年の連載開始時には運動部所属者の18%だったバスケ部員の割合が、連載終了の1995年には23.5%に増えています。人数でいうと、17万人から22万人に増加しているので、当時の熱を感じさせられます。部室とか…大変そう。

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こちらは、バスケットボール協会のHPによる競技人口の推移をしめしたものです。

こちらによると、連載開始時の1990年は81万人、ピークになる1995年には102万人にまで増加。スラムダンクの流行と、マイケル・ジョーダンらスーパースターらのNBAが人気をあつめたブームとの相乗効果が明確に数字に表れています。

 

また、スラムダンクより一足早く、『DEAR BOYS』の連載も始まっています。このときのバスケ少年たちはいろいろな選手を見られて盛り上がったんだろうなぁ。

DEAR BOYS 文庫全12巻 完結セット (講談社漫画文庫)

DEAR BOYS 文庫全12巻 完結セット (講談社漫画文庫)

 

 

スラムダンクの連載終了にあたる1996年以降、競技人口がガクッと下がります。

ここについて、スラムダンク人気が落ち着いたことがここまで影響するのか?!とビックリしましたが、2000年にバスケのルール変更があったことが主な要因と言われているようですね。この年には協会の加盟チーム数も激減したようです。

 

さらに、1999年には『テニスの王子様』の連載がスタート。

これにより、テニスの競技人口、テニス部入部者が急増したそうです。バスケ人気もこちらに移行したのかなぁと考えられます。が、ここの部分のデータは見つかりませんでした。残念。

 無料だ。読まなきゃ。

 2003~2016年

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 ここからは高体連HPに掲載された(おそらく)信憑性のあるデータです。

繰り返しになりますが、1997年までのデータは検証が不十分である、ということなのでこちらのものとデータの比較はできないものとします。前の分がどういう集計がされてたのか、1997~2003年の間にどのように推移したのかが気になるところですが、とりあえず進めます。

 

 テニスが他に差をつけて圧倒的人気を得ているのは、1999年連載開始、2001年にアニメがスタートした『テニスの王子様』による影響でしょうか。

 

この図でテニス部員のピークにあたる2004年には、上戸彩主演で『エースをねらえ』がテレビドラマ化していました。

同じくバレー部員ピークにあたる2005年には上戸彩主演『アタックNo.1』がテレビドラマ化。

それぞれ原作連載時には爆発的ブームを巻き起こした名作スポコン漫画。当時のデータも見たかったなぁ…。

 

 ここのデータでは、あまり起伏がないよに見えます。

陸上が伸びたのは、2007年の東京マラソン開始とかそんなときに起こったマラソンブームが関係していたりするのでしょうか。

2009年以降サッカーも上昇を続けています。2010年のワールドカップの影響だったりするのかな…?

 

マンガと絡めてみるとすると、2009年~2014年に連載された『黒子のバスケ』のアニメ1期放映にあたる2013年に前項に挙げたバスケ競技人口が上昇傾向を見せていること、

2005年ごろから減少傾向にあったバレー部員の割合が『ハイキュー!!』のアニメ1期放映にあたる2014年から回復を見せていることが挙げられると思います。こじつけっぽい気もしますが、「○○の影響ではじめた!」って人は一定数いるだろうなと感じます。 

 まとめ

 今回見つけられた資料の中で、明らかに数字に反映されたのは『スラムダンク』だけでした。

もちろん、このときの人気はNBA人気やメディアとの相乗効果であり、マンガの力だけだと断定することはできません。

 

それでも、さまざまな有名選手がマンガのファンを公言していたり、その競技に挑戦する意欲を刺激したり、マンガ=フィクションの世界が現実世界に影響を与えるというのはスポーツ漫画の特徴のように感じました。

さらに、スラムダンクなんかは顕著に影響が出たように見受けられましたが、特定の漫画を読んで「明日からサッカー部にはいろう!」とか「入部届を出すぞ!」となるかっていうと、そこんとこは疑問です。幼少期に読んだ影響で後々その競技の門を叩いたり、かつてマンガのファンだったご両親の影響というのもあるでしょう。となると、マンガの影響力は計り知れないものがあります。

さまざまな競技が取り上げられ、同じ競技でも世代によって影響を受けた作品が違ったりして、 面白いです。思えば私の同級生のバスケ部員は顧問に勧められて全員スラムダンクを読んでいたし、演劇部員は大抵ガラスの仮面を読んだ派と読んでない派で派閥がありました。その競技に興味を持つきっかけとして漫画は面白いし、競技を始めてからも共通の話題にできるのは利点です。

 

 

スポコン漫画はちょこちょこっと齧る程度ですが、もっといろいろ読んでみたいなと感じました。

 

そういえば、『タッチ』かっちゃんが死んだのがショックで読むのを止めてしまったので、ちゃんと読破して甲子園に連れてってもらいたいです。

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以下雑記

 私は高校時代演劇部で、活動場所は体育館のステージでした。記憶があいまいですが、たしか体育館のフロアはバスケ、バレー、バドミントン、卓球が順番に使っていて、日替わりでいろんなものが飛んでくる恐怖に怯えながら活動していました。

 

演劇部の大会は年に一回、秋に地区大会がスタートして、県大会があり、センター試験のころ地方大会、年度をまたいで8月に全国大会が行われます。

そういうわけで、3年生は大会に出場できませんので、高校演劇で全国制覇を目指せるチャンスは2回だけ。さらに8月の全国大会に出場すると、9月に始まる地区大会の準備が大変になるこのシステムなんとかならなかったのか。

 演劇の大会は明確な審査基準があるわけでもなく、審査員の趣味だろ!みたいな部分が多く弱小校の私は文句たらたらでした。ついでに強豪校の顧問と審査員が仲良くご飯にいく約束は出場者の前でしない方が良いと思う。ズブズブじゃねぇか。

 

そんなわけで、運動部は大会も多いし、勝敗が点数に出るからいいなぁと、当時の私はよくやっかんでいたわけです。

 

スポーツ漫画に引き込まれるのは、登場人物たちが一瞬一瞬に青春をかけているから。「この一球は絶対無二の一球なり*1」だし、「リトルリーグのたった一試合で人生を棒に振ってしまってもいい*2」し、「オレは今*3」なのです。

 

彼らにとって、次のチャンスがどうとかは関係なくて、今、その一球、その一瞬に青春をささげることがすべて。仲間と共に懸命に戦う姿に心を打たれるというのは、きっといつの時代もかわらないのでしょう。

 「また次のチャンスがあるじゃん、無理しないでねー」とは思わないもんね。私もそんな青春を送れたらなぁ、と思わないでもありません。今からでも遅くないので、スポーツ漫画を読み込んで追体験させていただこうと思います。

消えた魔球―熱血スポーツ漫画はいかにして燃えつきたか

消えた魔球―熱血スポーツ漫画はいかにして燃えつきたか

 

「わかるー」ってなる一冊。 

 

*1:『エースをねらえ』で宗方コーチが教えてくれるテニスプレーヤー福田雅之助さんのお言葉。松岡修造さんが試合の際に叫んだやつ

*2:『MAJOR』リトルリーグ編で吾郎くんの三船リトルは因縁の横浜リトルと死闘を繰り広げる。彼の肩が限界なのを察した茂野さんが止めに入るが彼は続投を決意するのです。彼の夢はプロ野球になることで、このとき吾郎くんはまだ小4だったのですが、仲間と戦う”今”が何より大事だったのです。

*3:スラムダンク』強豪山王工業高校との試合で桜木花道くんは背中を負傷。安西先生は交代を進言するも、自分の栄光時代は今なのだと退場を拒否する。かっこいいのです。